変形性膝関節症
歩き始めに痛む
階段の上り、下りの時痛む
正座をすると痛む
立ち上がるときに痛む
膝の内側を押すと痛む
水がたまり、腫れている
このような症状があるときは、変形性膝関節症の可能性があります。
変形性膝関節症は、加齢や過度の関節運動、あるいは体重の増加や外傷などにより、関節に負担がかかり、そのため膝の関節の軟骨がすり減ったり傷んだり骨も変形してくる病気です。
自覚症状としては、膝関節が痛み、動きも悪くなります。なかには関節に水が溜まって腫れてくる場合もあります。
初期
進行期
変形性膝関節症は、患者さんが診察室に入ってくるときの歩き方を観察することから診察がはじまります。
次いで問診によって痛みの状態、生活状況、けがの履歴などを確認し、さらに視診、触診によって 足の変形、腫れの有無、痛みの場所、膝の曲がり具合など詳細に確認していきます。
以上のような問診、視診や触診に加えて、「X線撮影」や「関節液検査」等の詳しい検査を実施して、それらの結果をもとに総合的な診断がくだされます。
変形性膝関節症の治療方法には、大きく分けて保存療法と手術療法の2つがあります。
保存療法には生活指導、リハビリテーション、装具療法、薬物療法があり、これらを組み合わせて行われます。
手術療法は、保存療法で効果が得られない場合に選択されますが、この数は決して多くはありません。変形性膝関節症は、加齢による関節の変化が主因なので、関節の機能を維持しようとする患者さん自身の気持ちとがんばりがとても大切です。
日常生活において、次のことに注意することが大切です。
肥満気味の人は標準体重まで体重を減らしましょう
(あなたの身長ー100)×0.9=あなたの標準体重
また、BMI(体格指数)といわれるものも良く使われます。
膝への負担を和らげるために、歩くときはできるだけ杖を使いましょう。
正座のように膝を曲げる状態は膝に負担がかかりますので椅子にすわり膝に負担のかからないようにしましょう。トイレもできれば洋式トイレを使いましょう。
変形性膝関節症に対するリハビリテーションの目的はひざの曲げ伸ばしの回復(可動域訓練)とひざを支える筋力の回復(筋力訓練)です。関節の2大機能である可動性と支持性を回復させるリハビリテーションは変形性膝関節症の治療のみならず予防法としても大変重要です。
大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)を訓練することで膝の痛みを治し、防ぐことができます。自宅でできる運動を毎日コツコツ続けましょう。
効果が出るまでに個人差もありますが、3ヶ月ほどかかると言われています。
仰向けになって、片方の膝を直角に曲げます。
もう片方の膝を伸ばしたまま、ゆっくり上げて床から10cmのところで5秒間脚を静止します。
静止した脚を、ゆっくりと床に下ろして2〜3秒休みます。これを20回繰り返します。左右の脚を替えて、同様の運動を繰り返します。
関節腔内の注射療法としてはヒアルロン酸製剤があります。
ヒアルロン酸は、関節軟骨や関節液中に含まれている物質で、関節の潤滑をよくし、関節の軟骨をつくることに関係していると言われています。変形性膝関節症ではこのヒアルロン酸がうすまっています。
そこで膝関節内にヒアルロン酸製剤を注入することにより膝のすべりが良くなり、痛みが抑えられます。
通常1回1アンプルを関節内に投与して、1週間の投与間隔で10〜20本ほど注射するのが一般的です。連続投与を行っても、重大な副作用、合併症を起こすことはほとんどありません。
治療には時間がかかりますが、継続治療することで病気の進行を抑制することができます。
※ 効果には個人差があり、効果のはっきりしないこともありますが、病気のあまり進行してない初期の段階で注射すると、その効果はより高いといわれています。
鎮痛・抗炎症薬の貼付剤や軟膏剤がこれにあたります。
これら外用薬による治療は膝の痛みや腫れを抑える対症療法として使用されます。
鎮痛・抗炎症薬の錠剤やカプセル剤などがこれにあたります。
これら内服薬による治療も膝の痛みや腫れを抑える対症療法として使用されます