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ピロリ菌(Helicobacter pylori)とは

ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃の粘膜に住みついている細菌です。
正式名称は【Helicobacter pylori(ヘリコバクター・ピロリ)】といい、酸の強い環境(胃酸の中)でも生存できる特殊な性質を持ち、胃がんの最大の危険因子です。

日本では中高年層を中心に感染率が高く、感染は多くの場合幼少期に親の口から感染が成立します。

ピロリ菌の症状は?【自覚症状がないことも多い】

ピロリ菌感染で自覚症状が出ることは、あまりありませんが、

などの症状が出ることがあります。
しかし、無症状のまま胃炎や萎縮が進行することがあるため注意が必要です。

ピロリ菌と胃がんの関係

ピロリ菌は、胃がんの最大の危険因子です。

世界保健機関(WHO)は、ピロリ菌を「確実な発がん因子(Group1)」に分類しています。

感染が続くと:

  1. 慢性胃炎
  2. 萎縮性胃炎
  3. 腸上皮化生
  4. 胃がん

という段階を経て発がんリスクが上昇します。

除菌により胃がんリスクは低下しますが、完全にゼロにはなりません。
そのため、除菌後も定期的な内視鏡検査が必要です。

ピロリ菌の検査を受けるには胃カメラが必要です

保険適用の基本ルール

日本の保険診療では、「内視鏡で胃炎を確認し、ピロリ感染胃炎と診断した場合」に限り、ピロリ菌検査および除菌治療が保険適用になります。

つまり

  • まず 胃カメラで胃炎を確認(健康保険診療)
  • そのうえでピロリ菌検査
  • 陽性なら除菌治療

という流れが原則です。

なぜ胃カメラが必要?

理由は以下の通りです。

ピロリ感染は胃がんリスクと強く関連するため、除菌前に胃の状態を評価(胃がんがないこを確認する)することが保険上の条件になっています。

ピロリ菌の検査方法

主な検査には以下がありますが、内視鏡を受けていただかないと保険診療とはなりません

迅速ウレアーゼ検査

ピロリ菌は強い ウレアーゼ活性というもの を持っています。ウレアーゼは【尿素(urea) → アンモニア + 二酸化炭素】に分解されます。

迅速ウレアーゼ検査では:

  1. 胃カメラで胃粘膜を生検
  2. 尿素とpH指示薬を含む試薬に入れる
  3. ピロリ菌が存在すればアンモニア産生によりアルカリ化
  4. 色調変化(黄色 → 赤など) を確認(約2時間)

という流れになります。

■ 検査の特徴

項目内容
検査方法胃内視鏡下生検
結果判定約1〜2時間以内
感度※約85–95%
特異度※※約95%以上
保険適用あり(内視鏡検査と同時実施時)

※感度:ピロリに感染している人を、どれだけ正しく“陽性”と判定できるか
※※特異度:ピロリに感染していない人を、どれだけ正しく“陰性”と判定できるか

■ 長所

■ 短所・偽陰性の原因

以下の場合、偽陰性になることがあります:

尿素呼気検査

尿素呼気検査は、息を袋に吹き込むだけで調べることができる、体に負担の少ない検査です。
主にピロリ菌がきちんと除菌できているかどうかを判定するための検査です。除菌治療後にこの検査を行うことで、体内にピロリ菌が残っていないかを高い精度で確認できます。

■ 検査の流れ

  1. 絶食でご来院ください。
    (※検査前の飲食は正確な結果に影響するためお控えください)
  2. 最初の呼気を採取します。
    検査専用の袋に息を吹き込んでいただきます。
  3. 検査薬を服用します。
    ピロリ菌を調べるための、尿素が含まれたお薬を飲んでいただきます。
  4. 左肩を下にして5分間横になります。
  5. その後、椅子に座って15分間お待ちいただきます。
  6. もう一度、呼気を採取します。
    再度、検査専用の袋に息を吹き込んでいただきます。

ピロリ菌がいると、飲んだお薬が分解されて、
息の中に特別な成分(二酸化炭素)が増えます。その増え方を測定して、感染の有無を判定します。

■ 検査時間は

約30分程度です。

■ 検査前の注意点

正確な結果を出すために、以下のお薬を飲んでいる場合は事前にご相談ください。

※自己判断で中止せず、必ず医師にご相談ください。

■ 検査の特徴

項目内容
検査方法胃内視鏡下生検
結果判定数分〜24時間以内
感度約85–95%
特異度約95%以上
保険適用あり(内視鏡検査と同時実施時)

※感度:ピロリに感染している人を、どれだけ正しく“陽性”と判定できるか
※※特異度:ピロリに感染していない人を、どれだけ正しく“陰性”と判定できるか

■ 長所

■ 短所・偽陰性の原因

以下の場合、偽陰性になることがあります:

※PPIは原則4週間以上休薬が望ましい。

尿検査

ピロリ菌の尿検査は、尿中の抗ピロリ菌抗体(IgG)を測定する検査です。
血液検査(血清抗体)と同様に、体が作った抗体の有無を調べる間接的検査に分類されます。

◼️検査方法

尿を提出してもらいます

◼️検査の特徴

項目内容
検査方法尿
結果判定1週間
感度約85–95%
特異度約80〜90%以上
保険適用あり(内視鏡検査と同時実施時)

※感度:ピロリに感染している人を、どれだけ正しく“陽性”と判定できるか
※※特異度:ピロリに感染していない人を、どれだけ正しく“陰性”と判定できるか

◼️検査の尿検査の問題点(臨床的に重要)

  • 除菌判定には不適
    抗体は除菌成功後も長期間(半年~数年)陽性が持続するため、除菌できたかどうかの判定には使えません。
  • 既感染と現感染の区別ができない
    過去に感染していた人でも陽性になります。
  • 3. 高齢者・萎縮性胃炎では偽陰性が増える点

採血による検査

ピロリ菌感染の有無を、**血液中の抗体(IgG)を測定して判定する検査です。
胃がん検診の場合、この採血での検査となります。

方法

採血させていただきます。食事制限はありません。

◼️長所

  • 採血のみで実施可能
  • PPI・抗菌薬の影響を受けにくい
  • 呼気試験や便中抗原より影響が少ない。
  • 健診や集団検診で広く使用されている。

◼️短所

◼️検査の特徴

項目内容
検査方法血液(採血)
結果判定1週間
感度約85–95%
特異度約80〜90%以上
保険適用あり(内視鏡検査と同時実施時)

ピロリ菌の除菌治療とは

一次除菌治療

・胃薬(胃酸分泌抑制薬)
・抗菌薬2種類
を1週間服用します。

●成功率:約80〜90%

二次除菌治療

一次除菌が不成功の場合、抗菌薬を変更して再治療を行います。

除菌治療の副作用

多くは軽度ですが、症状が強い場合はご相談ください。

ピロリ菌除菌後は安心?

除菌により胃炎の進行は抑えられます。
しかし、萎縮が進んでいる場合は胃がんリスクは残ります。

そのため、

✔ 除菌後も定期的な胃カメラ
✔ 萎縮の程度に応じたフォローアップ

が重要です。

こんな方はピロリ菌検査をおすすめします

よくある質問(FAQ)

Q. ピロリ菌は自然に治りますか?

自然に消失することはほぼありません。

Q. 除菌すれば胃がんになりませんか?

リスクは低下しますが、ゼロにはなりません。

Q. 再感染しますか?

成人での再感染は非常にまれです。

当院のピロリ菌診療の特徴

ピロリ菌関連の自費検査

名称詳細費用(税込み)
感染診断
ピロリ菌が「いるか、いないかだけを調べたい」という方
初診料+尿中抗体検査(尿で判定)6,480円
初診料+尿素呼気試験(息で判定)9,720円
感染診断+除菌+判定
ピロリ菌が「いるか、いないか。いたら除菌したい」という方
初診料+尿中抗体検査+除菌+除菌判定20,520円
初診料+尿素呼気試験+除菌+除菌判定23,760円
除菌のみ除菌+除菌判定(尿素呼気試験)16,200円

他の医療機関で「ピロリ菌がいます。」といわれたが、もう内視鏡はうけたくない…、内視鏡を受けたくないが、ピロリがいるかどうかだけ調べたい…という方が対象です。

【まとめ】ピロリ菌は早期発見・早期除菌が重要です

ピロリ菌感染は放置すると、胃がんリスクを高めます。
無症状でも、適切な検査と除菌により将来的なリスクを下げることが可能です。

胃の不調がある方、これまで検査を受けたことがない方は、お気軽にご相談ください。

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