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便潜血陽性の結果が出たら…

便潜血検査で陽性結果が出た場合、すぐに「大腸がん」と決めつける必要はありません。便潜血陽性は、大腸がんやポリープ、炎症性腸疾患など、さまざまな原因によって引き起こされる可能性があるためです。

実際に大腸がんがあるのは、便潜血陽性の方の約2~5%程度と言われています。もう少し専門的な話になりますが、大腸癌の人が陽性となる割合は30-92.9%(感度)、大腸癌のない人が陰性となる割合は88-97.6%(特異度)と言われています。

しかし、便潜血陽性は、早期に大腸の異常を発見するための大切なサインでもあります。便潜血陽性が確認された場合、必ず【大腸内視鏡検査(大腸カメラ)】を受けることが重要です。この検査によって、便潜血の原因を明確にし、早期の大腸がんやポリープを発見することができます。当院では内視鏡専門医および下部消化管内視鏡スクリーニング認定医が検査を担当し、正確かつ安全に大腸内視鏡を行っています。また、臨床肛門病指導医による肛門外科の診察も行っており、痔などによる出血かどうかの鑑別・治療も同時に可能です。

便潜血検査について

便潜血検査は、便の中に微量の血液が混じっているかを調べるための検査です。目で見て血液が確認できなくても、便に含まれている血液の微細な痕跡を検出することができます。この検査は、大腸や直腸に何らかの異常がある場合に陽性反応を示すことが多く、早期の病気発見に役立ちます。

日本での便潜血検査は【免疫法】によるもので、人のヘモグロビンに対しての免疫反応(抗原抗体反応)を利用しての検査です。人の血液に特異的に反応するので食事制限などはありません。
上部消化管(胃や十二指腸)からの出血の場合、便として排出されるまでに、消化酵素などで変性するため基本的に妖精となることはありません。ただし、胃や十二指腸から大量出血の場合は陽性になることがあります。

便潜血陽性で見つかる疾患

大腸がん

微量の出血が便に混じることがあります。初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、早期に発見すれば内視鏡で切除・治癒できる場合もあります。内視鏡治療が困難な場合でも早い段階で見つかれば治療の選択肢が広がり、治癒の可能性も高くなります。

便潜血陽性という結果が出た場合でも、大腸がんであるとは限りませんが、【がんでないことを確認する】ことが重要です。









大腸腺腫性ポリープ

大腸の腺腫(大腸腺腫)は、大腸の内壁に発生する良性の腫瘍です。これは大腸の粘膜にある腺細胞が異常に増殖した結果で、一般的には前癌病変(腫瘍が癌に変化する可能性がある)として知られています。大腸腺腫は、放置すると一部が大腸癌に進展する可能性があるため、早期発見と治療が重要です。

虚血性腸炎

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大腸憩室からの出血

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炎症性腸疾患

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肛門疾患

当院では、大腸内視鏡検査で便潜血の原因が痔による出血であることが確認された場合、迅速に治療を開始します。症状が軽い場合は薬物療法で対応し、進行している場合でもできるだけ痛みを伴わない方法での手術を行います。どんな小さな不安でもお気軽にご相談いただければ、臨床肛門病技能指導医の院長が一人ひとりに合わせた最適な治療をご提案いたします。詳しくはこちら

当院での便潜血検査の流れ

  1. 便潜血検査キットの受け取り
    まず、便潜血検査キットをお渡しします。その際、採取方法についてスタッフが丁寧に説明しますので安心して行ってください。ご自宅で便を採取し、指定された方法でサンプルを提出していただきます。
  2. 便サンプルの提出
    ご自宅で便を採取し、指定の容器に入れて診療時間内に受付スタッフに預けてください。
  3. 検査結果の確認
    提出後1週間以降にご来院ください(その際、診察枠で順番予約してください)。結果が陽性であった場合は、大腸内視鏡検査のご予約をしていただき原因の確認を行います。

便潜血陽性とは

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