新しい肺炎球菌ワクチン キャップバックス

新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®(Capvaxive)」について

2025年、日本で新たに承認された肺炎球菌ワクチンキャップバックス®(Capvaxive) は、成人における肺炎球菌感染症を予防するための最新ワクチンです。
一生のうち1回接種するだけで生涯免疫を獲得できます。これまでのニューモバックスのようの5年に1回接種する必要がありません。
海外ではすでに接種が進んでおり、日本でも2025年10月から接種が開始されました。

肺炎球菌とは?

肺炎球菌は、健康な人ののどや鼻の奥に存在することのある細菌ですが、
体力や免疫力が低下すると肺炎・中耳炎・副鼻腔炎・敗血症・髄膜炎などの重い感染症を起こすことがあります。

特に 高齢者・糖尿病・心疾患・呼吸器疾患・腎疾患 などをお持ちの方は、
重症化しやすく、命に関わることもあります。
その予防に有効なのが肺炎球菌ワクチンです。

キャップバックス®の特徴

特徴内容
対応する血清型21種類(21価)
ワクチンの種類結合型ワクチン(免疫記憶を形成)
対象成人(18歳以上)
接種回数原則1回で完了
発売開始2025年10月 日本国内で接種開始
販売会社MSD株式会社(米国Merck & Co., Inc.)

これまでのワクチンとの違い

これまで日本では主に以下の2種類の肺炎球菌ワクチンが使用されてきました。
現在補助金の対象となっているワクチンはニューモバックスNPです。

ワクチン名型数種類特徴
プレベナー13(PCV13)13価結合型免疫が長く続くが、型の範囲が限定的
ニューモバックスNP(PPSV23)23価多糖体幅広い型をカバーするが、免疫が長持ちしない
キャップバックス®(Capvaxive)21価結合型広い型をカバーし、長期の免疫が期待できる最新型

つまりキャップバックスは、結合型ワクチンの長期的な免疫力と、幅広い型のカバー範囲を兼ね備えた新世代のワクチンです。

接種費用

自費での接種のみとなります(補助金対象外です)

効果

接種スケジュール

副反応

一般的には軽度で、数日以内におさまります。

症状頻度
注射部位の痛み・赤み・腫れよくある
倦怠感・発熱時々みられる
アレルギー反応(発疹・息苦しさなど)ごくまれ

強い副反応が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。

接種をおすすめしたい方

医師からのメッセージ

肺炎は日本人の死因の上位に入る病気であり、特に高齢者では入院や命に関わることもあります。
キャップバックス®は、これまでのワクチンよりも広い菌型をカバーでき、長期にわたって感染を防ぐことができる新しい選択肢です。

これまで肺炎球菌ワクチンを受けたことがない方、
あるいは過去に受けてから数年経過している方は、ぜひご相談ください。

新しい肺炎球菌ワクチン キャップバックス