大腸憩室症(だいちょうけいしつしょう)・大腸憩室炎(だいちょうけいしつえん)
― 大腸内視鏡で早期発見・早期治療 ―
大腸憩室とは?
大腸の壁の弱い部分が外側にポケット状にふくらんだものを「憩室(けいしつ)」と呼びます。年齢とともに増え、40歳以上では 3〜4人に1人 に認められるともいわれます。憩室があるだけで炎症を起こしていない状態を 大腸憩室症、憩室に炎症や感染が生じた状態を 大腸憩室炎 と区別します。
発症のしくみと主なリスク因子
発症に関与する要因 | 具体例 |
---|---|
加齢 | 結腸壁の弱化 |
食生活 | 食物繊維の不足、高脂肪食 |
生活習慣 | 便秘、肥満、喫煙、アルコール過多 |
薬剤 | NSAIDs(鎮痛薬)やステロイドの長期使用 |
食物繊維が少ないと便が硬くなり、排便時の腸内圧が上昇 → 弱い部分が押し出され憩室が形成される仕組みです。
大腸憩室症 -「ある」だけの段階
よく見られる症状
- 多くは 無症状
- まれに左下腹部の違和感、腹部膨満感、下痢や便秘の繰り返し
検査・診断
- 大腸内視鏡検査:憩室の有無、数、出血源の確認
- 腹部CT:炎症の有無や合併症の評価
当院の特色
- 苦痛の少ない軸保持短縮法+鎮静剤併用でリラックス検査
- 検査前説明から検査後フォローまで同一医師が担当
- 憩室からの出血は緊急で内視鏡治療(クリッピング/バンド結紮)にも対応
大腸憩室炎 - 炎症が起きたら
主な症状
軽症 | 中等症 | 重症(合併症あり) |
---|---|---|
左下腹部の痛み | 38℃前後の発熱 | 高熱・強い腹痛 |
軽度の吐き気 | 白血球増多 | 膿瘍形成、穿孔、腹膜炎 |
治療の流れ
- 食事制限・点滴補液
- 抗菌薬投与(外来または短期入院)
- 症状が改善しない/再発を繰り返す → 腸管合併切除など外科治療を検討
こんなときはすぐ受診を!
- 激しい腹痛が持続する
- 発熱・悪寒を伴う
- 便に血が混じる、黒色便が出る
再発予防とセルフケア
- 食物繊維を1日20〜25g 目標(野菜・果物・全粒粉)
- 十分な 水分摂取(目安1.5〜2L/日)
- 適度な運動で腸の蠕動を促進
- 便秘が続くときは早めにご相談ください(下剤の自己判断は避ける)
よくある質問(FAQ)
Q. 憩室は治りますか?
A. 一度できた憩室自体は元に戻りませんが、炎症や出血を起こさないよう生活改善・定期チェックでコントロールできます。
Q. 憩室炎になったら必ず手術ですか?
A. ほとんどは抗菌薬と安静で治ります。穿孔や膿瘍など合併症がある場合に限り手術を検討します。
Q. 内視鏡検査は痛くありませんか?
A. 当院では鎮静剤を使用し、多くの方が「気付いたら終わっていた」とおっしゃいます。検査当日は自動車の運転を控えてください。
受診のタイミング
- 便に鮮血や黒色便が混じった
- 最近便秘と下痢を繰り返す
- 食後や排便後に左下腹部痛が続く
- 年に一度の健診で「便潜血陽性」を指摘された
症状が軽いうちに大腸内視鏡で状態を把握し、適切な管理を行いましょう。
当院のご案内
- 内視鏡専門医 が検査・治療を一貫して担当
- 早朝・土曜検査枠あり、お仕事前でも受診可
- 緊急の腹痛・出血は 当日対応 いたします
- 女性看護師が前処置からサポート。プライバシーにも配慮
ご予約・ご相談はお気軽に
電話またはWEB予約ページより受付中です。
まとめ
大腸憩室症は身近な疾患ですが、放置すると出血や穿孔など重篤な合併症につながることがあります。違和感や腹痛、便通異常を感じたら、早めに専門医の診察を受けましょう。当院では患者さん一人ひとりの状態に合わせた検査・治療・生活指導を行い、再発防止までしっかりサポートします。