ゲップ
ゲップとは?
ゲップ(噯気〈あいき〉)は、胃や食道内にたまった空気が口から排出される現象です。
通常、飲食や会話中に無意識に飲み込んだ空気が胃に入ることで、胃内の圧が上昇し、空気が食道を通って口から排出されます。
生理的な現象であり、健康な人でも1日に何回かはゲップをします。
ゲップの原因
ゲップは空気を飲み込む量が多くなったり、胃内にガスがたまりやすい状態で起こります。
主な原因
● 空気嚥下(Aerophagia)
- 食事や会話の際に無意識に空気を飲み込むことで発生
- 早食いや炭酸飲料、ガムを噛む習慣などで空気嚥下が増える
- 炭酸飲料やビールなどを飲むと胃内に二酸化炭素が発生し、ゲップが増える
- 発酵食品やガスを発生しやすい食品(豆類、キャベツなど)でもガスが発生
● 食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎
- 胃酸が食道に逆流すると、食道が刺激されて反射的に空気を飲み込むことが多くなり、ゲップが頻繁に出やすくなる
- **胃食道逆流症(GERD)**では、ゲップとともに胃酸が逆流し、胸やけを伴うことがある
● 消化不良や胃の機能低下
- 胃の動きが悪くなると消化が遅れ、胃内にガスがたまりやすくなる
- 胃もたれや膨満感とともにゲップが増える
● ストレスや過敏性胃腸症候群(IBS)
- ストレスにより自律神経が乱れると、胃腸の動きが低下し、ゲップや膨満感が生じやすい
- 過敏性胃腸症候群(IBS)では、ガスがたまりやすくゲップが増加する
● ピロリ菌感染や胃炎
- ピロリ菌感染による慢性胃炎では胃粘膜が炎症を起こし、消化機能が低下
- 胃の動きが悪くなるとガスがたまりやすく、ゲップが頻繁に出る
ゲップが多いときに考えられる疾患
頻繁なゲップが続く場合は、消化器系の疾患や機能異常が関係している可能性があります。
● 逆流性食道炎(GERD)
- 胃酸が食道に逆流し、食道が刺激されてゲップが増加
- ゲップとともに**胸やけや呑酸(胃酸がこみ上げる感覚)**を伴う
● 胃炎や胃潰瘍
- 胃の粘膜が炎症を起こすと、胃の動きが悪くなり、ガスがたまりやすい
- 胃の膨満感や不快感とともにゲップが増える
● 食道裂孔ヘルニア
- 胃の一部が横隔膜を通り胸部に飛び出す状態
- 胃の圧が上昇し、ゲップや胃酸の逆流が頻繁に起こる
● 機能性ディスペプシア(FD)
- 胃カメラでは異常がないのに胃もたれやゲップが続く状態
- ストレスや自律神経の乱れが関与
●過敏性胃腸症候群(IBS)
- 腸内ガスが増え、ゲップやおならが頻繁に出る
- ストレスや食生活が悪化要因
ゲップが多いときの対処法
ゲップが頻繁に出る場合は、生活習慣の見直しと胃腸のケアが重要です。
●食事習慣の改善
- ゆっくり食べる・よく噛む → 空気嚥下を防ぐ
- 炭酸飲料やビールは控えめにする
- 消化に良い食事を心がける(脂肪分が多い食事は消化が遅れる)
- 食後すぐに横にならない → 胃酸逆流を防ぐ
●ストレス管理
- ストレスが多いと空気嚥下が増えやすい
- 適度な運動やリラックスを心がける
● 胃腸を整えるサプリや薬を活用
- 消化管運動促進薬(ガスモチン、モサプリドなど) → 胃の排出を促す
- 漢方薬(六君子湯、半夏瀉心湯など) → 胃の機能を改善
- 整腸剤 → 腸内ガスを抑制する
● 内視鏡検査を受ける
- ゲップが頻繁に続く場合や胃痛・胸やけがある場合は胃カメラ検査がおすすめ
- ピロリ菌感染や胃炎、逆流性食道炎が原因の場合は治療が必要
ゲップが続く場合の注意点:
- 頻繁なゲップとともに胸やけや呑酸がある場合 → 逆流性食道炎の可能性
- 胃痛や膨満感が続く場合 → 胃炎や胃潰瘍の疑い
- 体重減少や食欲不振を伴う場合 → 消化器疾患の可能性があるため早めに受診