喉のつかえる感じ

喉のつかえる感じ(咽喉頭異常感症)は、喉に異物があるような違和感や詰まり感を覚える症状です。食事とは関係なく、唾を飲み込むときや安静時にも感じることがあります。
多くの場合は痛みを伴わず、異物は存在しないにもかかわらず、不快感が続きます
喉のつかえる感じの原因
喉の違和感は身体的な原因と精神的な要因の両方で起こります。
逆流性食道炎や甲状腺の異常、ストレスなどが関係していることが多いです。
○逆流性食道炎(GERD)
- 胃酸が食道に逆流し、喉や食道が慢性的に刺激されることで違和感が生じます。
- 胸やけや呑酸(酸っぱい液がこみ上げる)を伴うことが多いです。
- **咽喉頭逆流症(LPR)**の場合は、胸やけがなくても喉に不快感が出ることがあります。
✔︎ 特徴的な症状:
- 喉のつかえ感や違和感
- 頻繁な咳払いやイガイガ感
- 声のかすれ
○咽喉頭炎や慢性扁桃炎
- 喉の炎症が続くと腫れや粘膜の肥厚が起こり、つかえ感が出ることがあります。
- 特に慢性扁桃炎では、軽い腫れが続いて喉に詰まるような感覚が残る場合があります。
✔︎ 特徴的な症状:
- 喉の痛みやイガイガ感
- 飲み込むときの不快感
- 発熱や微熱を伴う場合もある
○食道裂孔ヘルニアや食道狭窄
- 胃の一部が胸部に飛び出す食道裂孔ヘルニアでは、胃酸が逆流しやすくなり、喉に詰まるような感じが起こります。
- 食道の炎症が慢性化すると食道が狭くなり(食道狭窄)、つかえ感が強くなることがあります。
✔︎特徴的な症状:
- 胸やけや胃もたれ
- 食べ物がつかえる感じ
- 胸痛や背中の痛み
○甲状腺の異常(甲状腺腫、バセドウ病、橋本病など)
- 甲状腺が腫れると気道や食道が圧迫されてつかえる感じが生じます。
- 甲状腺ホルモンの異常による代謝の変化で、喉の違和感が現れることがあります。
✔︎特徴的な症状:
- 首の腫れや圧迫感
- 飲み込みにくさ
- 動悸や倦怠感(バセドウ病の場合)
- むくみや体重増加(橋本病の場合)
○咽喉頭神経症(喉の神経過敏)
- 神経が過敏になることで喉に詰まり感が生じる状態です。
- 特にストレスや緊張が原因で症状が悪化します。
✔︎ 特徴的な症状:
- 喉に異物があるような感覚
- 唾を飲み込むときに違和感が強くなる
- ストレスで症状が悪化
○アレルギーや後鼻漏(こうびろう)
- **アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因で、鼻水が喉に流れ込む(後鼻漏)**と、喉に詰まるような不快感が生じます。
- 鼻づまりやくしゃみとともに喉の違和感が現れます。
✔︎特徴的な症状:
- 鼻づまりやくしゃみ
- 喉に粘液が張り付くような感覚
- 痰が絡むような感じ
○ 精神的な原因
- ストレスがかかると自律神経が乱れ、喉の筋肉が過敏に反応してつかえ感が生じることがあります。
- **ヒステリー球(咽喉頭異常感症)**と呼ばれることもあります。
✔︎特徴的な症状:
- リラックス時には症状が軽減する
- 緊張時やストレス時に悪化
- 飲食時には症状が出ない
○心因性の喉の違和感
- 不安やパニック障害などの精神的要因で喉に詰まり感を覚えることがあります。
- 病気がないにもかかわらず、喉の違和感が続く場合があります。
✔︎特徴的な症状:
- 病院で検査をしても異常がない
- 精神的なストレスで悪化
- 安静時に症状が軽減
喉のつかえる感じの検査方法
喉の詰まり感が続く場合は、原因に応じた検査が必要です。
① 内視鏡検査(胃カメラ)
- 逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアの有無を確認
- 喉や食道の炎症や狭窄がないかチェック
② 甲状腺エコー検査
- 甲状腺が腫れている場合は、エコーで甲状腺腫大や結節を確認
- 甲状腺ホルモンの血液検査も併用
③ 鼻咽喉内視鏡検査
- 耳鼻咽喉科で喉の粘膜の状態や腫瘍の有無を確認
④ 24時間pHモニタリング検査
- 胃酸逆流の頻度や程度を測定
喉のつかえる感じの対処法
● 胃酸逆流が原因の場合:
- 食後2〜3時間は横にならない
- 脂っこいものや刺激物を控える
- 胃酸を抑える薬(PPIやH2ブロッカー)を使用
● ストレスが原因の場合:
- リラクゼーション法や深呼吸で自律神経を整える
- 精神的な緊張が続く場合は**心療内科的な治療